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UXトライアウト・2時間で学ぶヒューリスティック評価【レポート】

UXトライアウト・2時間で学ぶヒューリスティック評価
2018年7月20日@渋谷  

ニールセンの提唱するヒューリスティックス10要件をもとに、手軽にUXを評価する手法について、理論から演習まで学べる充実した2時間でした。

ヒューリスティックは、要は人の思い込み。(記事後半部分でググった)

人の思い込みに反しない/思い込みを積極的に活用する=ストレスをあたえないデザインを目指すために、あらかじめ整理された指標をもとにコストをかけずに製品テストをできる、というもの。

紙媒体のデザインをやっている身としてはデザインの原理原則に通ずるものが多く、親しみやすい概念でとてもおもしろかった。アフォーダンスとかもこのあたりの話かなーと。

一方で動的なもの、インタラクションなもののデザイン、という意味では紙ではカバーできていない視点が多く興味深かったです。

実際にスポーツウォッチのユーザビリティを検証する演習もおもしろかったです(デザインを批判するとき、なぜか人はイキイキするという法則ですw)。

ããªã¼ã¤ã©ã¹ã, ãã¯ãã«ãã¼ã¿, EPS, èæè¨, æè¨, æé, è¨æ¸¬æ©å¨,

デジタル時計のボタンってなんかややこしいから使う気起きませんよね・・・。

 

今回は専門家じゃなくても自分たちで手軽にUX検証できる手法をかなり具体的に教えてもらいました。(評価シートなどのテンプレもあって結構手厚い)

ただいきなり自社製品をUX検証すると、みんな言いたい放題言ってしまって、制作側とギスギスしそうなので最初は当たり障りない他社製や競合製品で評価トレーニングをするのもいいなと思った次第です。

個人的にもいくつかやってみようと思います。

今日頭に残っていることダイジェスト
(資料を振り返らない範囲で覚えていること)

・UX検証にはユーザーテストが必須かつ最適だけど、なんせコストがかかりすぎるので

、前段階として低コストな「ヒューリスティック評価」を活用しよう

ヒューリスティック評価とは、「人が快適・意識せずに使える要件」にもとづき、それらにフォーカスしながらユーザビリティを検証すること

・「人が快適・意識せずに使える要件」はすでに多くの学者等によって整理されており、今回は代表的なものとしてニールセン氏がまとめた10の要件を取り上げる

・検証にあたって気をつけるべきは人の主観(人によって重視することが違う)、それによって発生する問題点の見過し。3人以上で行う、合議しないなどの実施方法についてもしっかり守ること。

 

(以下、実施する際の留意点)

・ニールセンのヒューリスティックス10要素は、ソフトウェア開発を前提にしているので物理的な使用感等についてはカバーしていないことに留意

ヒューリスティックス評価はあくまで一般論なので、特定の環境下での課題には気づきにくい

・実際にユーザにとっては重要でない点まで問題としてあがってしまう可能性がある。あら捜しになりかねない。

・あくまで、ユーザーテストの前段階として、基本的な調査と改善をするのに向いている

・開発者自身はやはりバイアスが強いのでやらないほうがいい

・検証する際は「機能の評価」にならないように注意する。あくまでユーザが実現したい「タスク」を軸に検証事項を整理すること(例:メールソフトの機能を検証するのではなく、「届いたメールに返信する」というタスクを検証する)
・批判(指摘?)するだけだと色々こじれるから「どうしたらいいのか」という改善案も一緒にだそうね!

 

全然ダイジェストじゃないw

深掘り①:そもそもヒューリスティックって?

heuristic:
[形容詞](of a method of teaching) allowing students to learn by discovering things themselves and learning from their own experiences rather than by telling them things

[名詞] a method of learning or solving problems that allows people to discover things themselves and learn from their own experiences:

 Cambrige Dictionary 

(理論などではなく)自らの目で発見したことや経験したことから学ばせる一種の教育手法、または問題解決法のこと。

・・・素直に日本語のサイトを引用すると、心理学用語の一つで「自分の経験・発見や直感によって無意識のうちに自分では合理的だと思う意思決定をすること」。

ヒューリスティックは更に3種類に分かれる。

いずれも要はバイアスということなんだけど「どんなバイアスなのか?」がわかることでコントロールできるというもの。

代表性ヒューリスティック

典型的、代表的(いわゆる皆が共通して抱いているイメージや、自分が今まで経験してきたこと)をもとに判断を下すこと。

参考1では「太っている人はそうでない人より運動ができない」ことを例示に挙げているが、もう少し掘り下げた例示としては参考2の次のようなもの:

「コインを5回投げたときの表と裏の割合は?」という質問とともに2つのパターンの選択肢を与えると、「表・裏・表・裏・裏と出る」という方を「表が5回連続で出る」よりも選ぶ人が多いのもその一つだという。

実際にはどちらのパターンも同じ確率なのだが、ランダムに出ることを経験的に知っているから選んでしまうという。

いわゆるステレオタイプはこっちにあてはまるのかな。

国、年代とかによって変わるものですね。

利用可能性ヒューリスティック(想起ヒューリスティック

想起しやすい情報、手に入りやすい情報を優先して評価してしまうこと。
最近起こった出来事、ニュース、強い情動を起こすような出来事が想起されるパターンが多い。

これは代表性ヒューリスティックとある意味相反するけど・・
自分の経験(代表性ヒューリスティック)を上回るような強い情動を起こす出来事や、ニュースによってこちらが優先される。

参考1でも挙げているように、ワイドショーはまさに典型、想起ヒューリスティック祭り状態w

他にも、今自分が関心のあることとかに寄せて物事を評価判断しまうのも当てはまるかな。

固着性(アンカリング)ヒューリスティック

アンカリング、船にいかりを下ろすかのように、はじめにある情報をあたえるとその後に来る判断はそれに基づいてしまうというもの。

つまり、初期値が異なると最終的な推定値も大きく異なる。(参考2)

UXデザインでもよく出てきますが、値段表示の際に値引き前を書くというヤツですね。

あとは松竹梅で価格を見せる。

あとはお笑いグランプリなども一番手が良くも悪くも基準になってしまうというのもこの一つですかね?違う?

参考:

1 ヒューリスティックとは?|心理学からみる合理性を鈍らせる原因 | BRAVE ANSWER

2 ヒューリスティックス | 認知心理学

ニールセンのUIにおける10のユーザビリティ ヒューリスティック指標

・・・事例を見つけていこうと思ったけど、長くなりそうなので別記事で。